目標としていた「憧れの上司」
私にもかつて憧れの上司がいた。
N営業部長である。
N部長はいつもどっしり構えていた。
細かいことは現場に任せ、判断は早く且つ逃げない。あれこれ騒がない。お客様の前では堂々と業界を語る。酒席も話題豊富で楽しい。社内外問わず人心掌握に長けていて、本当に格好良かった。
バブルが弾け、リーマンショックを通じて、会社は生き残りをかけ、結果として規模だけは大きくなった。
しかし、社員の年齢構成はいびつになり、ポストも減り、社員のモチベーションは間違いなく下がった。究極はせっかく入った新入社員が会社のことをほぼ理解する5年くらいで辞めてしまう。
果たしてそれは会社に将来性がないからだけなのか?
よくみてみよう。部下はいるのにプレイングマネージャーと化している上司や、皆の前で小さな失敗をした部下を罵倒している上司、あと何年勤めれば年金がどうだとか、退職金がどうだとか公然と言って憚らない上司、上ばっかり見ている上司…。情けない。
こんなふうになりたいと思わせるような、
見本となり、尊敬に値する上司が当社にいるだろうか。
私はN部長が目標とする師匠であったから、何とかここまでやってこれましたが…
今やもう本体に未練もなくなりました。